海外旅行に持っていくクレジットカード、年会費無料で選ぶならこの5枚
海外旅行のためにクレジットカードを作りたいけれど、年会費がかかるカードは避けたい。そう考える方は多いと思います。
筆者はこれまで32か国を旅してきました。ゴールドカードやプラチナカードも試しましたが、正直なところ年会費無料のカードだけでも海外旅行は十分こなせます。むしろ、年会費無料カードを複数枚持つほうが、ブランドの分散やリスク管理の面で合理的だと感じています。
この記事では、海外旅行に持っていく年会費無料のクレジットカードを5枚厳選しました。旅行保険、海外事務手数料、タッチ決済対応、ポイント還元率の4軸で比較しています。
海外旅行用クレジットカードを選ぶ4つの基準
カードの紹介に入る前に、海外旅行用カードの選び方を整理しておきます。
1つ目は海外旅行傷害保険です。海外での医療費は高額になることがあり、アメリカでは盲腸の手術で300万円以上かかるケースも珍しくありません。カード付帯の保険だけでは不十分な場合もありますが、無いよりは確実にあったほうがよいです。
2つ目は海外事務手数料です。海外でカード決済をすると、為替レートに加えて1.6〜2.2%の事務手数料が上乗せされます。10万円分の買い物なら1,600〜2,200円の差が出るため、長期旅行では無視できない金額になります。
3つ目はタッチ決済への対応です。筆者がヨーロッパを3週間かけて周遊したとき、現金を使ったのは合計で3回だけでした。パリのメトロ、ロンドンのバス、プラハのトラム、すべてタッチ決済で乗れます。屋台ですらカードのタッチ決済に対応している店が増えています。この体験から、タッチ決済対応は海外カード選びの必須条件だと考えるようになりました。
4つ目はポイント還元率です。海外での利用でも国内と同じようにポイントが貯まるカードがほとんどです。還元率が0.5%と1.0%では、旅行中の利用額が大きいほど差が広がります。
おすすめ5枚の比較表
| カード名 | 年会費 | 海外旅行保険 | 海外事務手数料 | タッチ決済 | ポイント還元率 |
|---|---|---|---|---|---|
| エポスカード | 無料 | 自動付帯 | 1.63% | VISAタッチ対応 | 0.5% |
| 楽天カード | 無料 | 利用付帯 | 1.63% | VISAタッチ/Mastercardコンタクトレス | 1.0% |
| 三井住友カード(NL) | 無料 | 利用付帯 | 2.20% | VISAタッチ/Mastercardコンタクトレス | 0.5% |
| リクルートカード | 無料 | 利用付帯 | 1.63% | VISAタッチ/Mastercardコンタクトレス | 1.2% |
| JCBカードW | 無料 | 利用付帯 | 1.60% | JCBコンタクトレス | 1.0% |
ここからは1枚ずつ、海外旅行での使い勝手を中心に解説していきます。
1. エポスカード ― 海外旅行保険の自動付帯が最大の強み
エポスカードを最初に挙げる理由はシンプルです。年会費無料で海外旅行傷害保険が自動付帯するカードは、2026年時点でほとんど残っていません。
自動付帯とは、旅行代金をそのカードで支払わなくても保険が適用される仕組みです。つまり、財布に入れて持っていくだけで保険が有効になります。
主な補償内容は以下のとおりです。
- 傷害死亡・後遺障害:最高3,000万円
- 傷害治療費用:200万円
- 疾病治療費用:270万円
- 賠償責任:3,000万円
- 救援者費用:100万円
- 携行品損害:20万円
傷害治療200万円、疾病治療270万円という金額は、年会費無料カードとしては手厚い部類に入ります。もちろんアメリカのような医療費が極端に高い国では別途海外旅行保険に入るべきですが、東南アジアやヨーロッパの短期旅行であれば、このカードの保険だけでもカバーできる範囲は広いです。
海外事務手数料は1.63%と標準的な水準です。VISAブランドなので、世界中ほぼどこでも使えます。
ポイント還元率は0.5%と高くはありませんが、海外旅行保険の自動付帯という唯一無二のメリットを考えると、持っていて損のない1枚です。
筆者は旅行のたびにエポスカードを必ずカバンに入れています。メインで使うカードではありませんが、保険のためだけに持っていく価値があります。
エポスカード ― 年会費無料で海外旅行保険が自動付帯
持っているだけで海外旅行傷害保険が有効になる、数少ない年会費無料カードです。傷害治療200万円・疾病治療270万円の補償があり、短期旅行なら別途保険に入らずに済むケースも多いです。
エポスカードを詳しく見る2. 楽天カード ― 還元率と使いやすさのバランスが良い
楽天カードは年会費無料カードの中で最も普及しているカードの1つです。海外旅行でも使い勝手のよい1枚です。
ポイント還元率は常時1.0%で、海外利用でも同じ還元率が適用されます。10万円分の海外決済で1,000ポイント貯まる計算です。貯まった楽天ポイントは楽天市場での買い物や、楽天ペイでのコンビニ支払いに使えるため、帰国後も無駄になりません。
海外旅行傷害保険は利用付帯です。旅行代金の一部(空港までの交通費や航空券など)を楽天カードで支払えば保険が有効になります。自動付帯のエポスカードと比べるとひと手間ありますが、航空券をカードで買う方がほとんどでしょうから、実質的にはほぼ自動で保険が適用される方が多いはずです。
VISAまたはMastercardを選べばタッチ決済に対応しています。筆者としては、海外利用を考えるならVISAかMastercardのどちらかを選ぶことをおすすめします。JCBやAMEXは海外での加盟店が限られるためです。
海外事務手数料は1.63%で、エポスカードと同水準です。
楽天カードの注意点は、ハワイや韓国などの楽天カード優待がある地域では追加の特典を受けられる一方、それ以外の地域では特別な海外向け特典がない点です。とはいえ、年会費無料で還元率1.0%、タッチ決済対応という基本スペックは海外旅行用としても十分に優秀です。
3. 三井住友カード(NL) ― タッチ決済の安心感が段違い
三井住友カード(NL)は、ナンバーレスデザインが特徴のカードです。カード番号や有効期限がカード表面に印字されていないため、海外での盗み見リスクを軽減できます。
筆者がこのカードを海外旅行用として推す理由は、セキュリティ面の安心感です。海外ではスキミングやカード情報の盗難リスクが日本より高いのが現実です。ナンバーレスであれば、レストランでカードを渡すときも番号を見られる心配がありません。
タッチ決済にも対応しており、VISAまたはMastercardブランドを選べます。先述のヨーロッパ周遊では、筆者はこのカードをメインで使っていました。ロンドンのTfL(交通局)では、VISAタッチでそのまま地下鉄に乗れます。改札にかざすだけで、1日の上限額を超えると自動的にデイリーキャップが適用される仕組みです。Oysterカードを買う必要がないので、旅行者にとっては非常に楽です。
一方、弱点もあります。海外事務手数料が2.20%と、今回紹介する5枚の中で最も高い点です。10万円の海外決済で2,200円の手数料がかかります。エポスカードや楽天カードの1.63%と比べると、0.57%の差があります。
ポイント還元率は通常0.5%ですが、対象のコンビニや飲食店でのタッチ決済では最大7%還元になります。ただしこの高還元は国内の特定店舗に限られるため、海外旅行での還元率は0.5%と考えておくのが無難です。
海外旅行傷害保険は利用付帯で、最高2,000万円の補償があります。
手数料の高さを差し引いても、セキュリティとタッチ決済の使い勝手を重視する方にはおすすめできる1枚です。
4. リクルートカード ― 還元率1.2%は年会費無料カード最高水準
リクルートカードの最大の魅力は、ポイント還元率1.2%という数字です。年会費無料のカードでこの還元率を超えるカードはほぼ存在しません。
海外旅行でまとまった金額を使う方にとって、この還元率の差は大きいです。仮に旅行中に30万円をカード決済した場合、還元率0.5%なら1,500ポイント、1.0%なら3,000ポイント、1.2%なら3,600ポイントです。リクルートカードなら、還元率0.5%のカードと比べて2,100ポイントも多く貯まります。
貯まるリクルートポイントは、Pontaポイントやdポイントに等価で交換できます。ホットペッパーやじゃらんでも使えるため、使い道に困ることはないでしょう。
海外事務手数料は1.63%で標準的です。タッチ決済にも対応しています。VISAまたはMastercardブランドを選べば、海外のほとんどの場所で使えます。
海外旅行傷害保険は利用付帯で、最高2,000万円の補償があります。
リクルートカードの注意点としては、アプリやWebサイトの使い勝手が楽天カードや三井住友カードほど洗練されていない点が挙げられます。利用明細の確認や各種設定変更は問題なくできますが、UIの見やすさでは他社に一歩譲ります。
それでも、年会費無料で1.2%還元という事実は揺るぎません。海外旅行でのメイン決済カードとして最もコストパフォーマンスの高い選択肢です。
5. JCBカードW ― 海外利用は限定的だが国内還元率が優秀
JCBカードWは、39歳以下の方が申し込めるカードです。年会費無料で基本還元率1.0%、さらにスターバックスやAmazonなどの特約店では還元率がアップします。
海外旅行用カードとしてはメインにはなりにくいのが正直なところです。JCBブランドは日本発の国際ブランドであり、アジアの観光地やハワイでは使える店が多いものの、ヨーロッパや南米ではVISAやMastercardに比べて加盟店が少ないです。
ただし、ハワイ、グアム、韓国、台湾、タイといったアジア・太平洋地域への旅行では十分に使えます。JCBプラザという現地サポートデスクが主要都市に設置されており、日本語で相談できるのは大きなメリットです。
海外事務手数料は1.60%で、今回の5枚の中では最も低い水準です。JCBブランドが使える店に限定されるとはいえ、手数料面では最もお得です。
海外旅行傷害保険は利用付帯で、最高2,000万円の補償があります。
JCBカードWの活用法としては、VISAやMastercardのカードをメインにしつつ、JCBが使える店ではJCBカードWで決済するという使い分けがおすすめです。
筆者おすすめの2枚持ち組み合わせ(枚数と組み合わせの詳細はこちら)
5枚すべてを持っていく必要はありません。筆者がおすすめする組み合わせは以下の2パターンです。
パターンA(保険重視):エポスカード(VISA)+ 楽天カード(Mastercard)
エポスカードで旅行保険を自動付帯させつつ、普段の決済は還元率1.0%の楽天カードを使う組み合わせです。VISAとMastercardの2ブランドを持てるため、どちらかが使えない店でも対応できます。
パターンB(還元率重視):リクルートカード(VISA)+ エポスカード(VISA)
還元率1.2%のリクルートカードをメインにしつつ、エポスカードを保険用に持っておく組み合わせです。両方VISAブランドになりますが、還元率と保険の両方を最大化できます。Mastercardも持ちたい場合は、楽天カードをMastercardで追加発行するのも手です。
三井住友カード(NL) ― ナンバーレスで海外利用も安心
カード番号が印字されていないナンバーレスデザインで、海外でのスキミングや盗み見リスクを軽減できます。年会費無料、VISAタッチ対応で、ヨーロッパの公共交通機関でもそのまま使えます。
三井住友カード(NL)を詳しく見る実体験:ヨーロッパ周遊でタッチ決済に救われた話
筆者がポルトガル、スペイン、フランス、オランダ、ドイツ、チェコを3週間で回ったときの話です。
出発前は念のため各国の通貨を少額ずつ両替していこうかと考えていました。しかし結果的に、現金を使ったのはプラハの古い市場で買ったトゥルデルニーク(チェコの伝統菓子)と、リスボンの路上パフォーマーへのチップ、アムステルダムの公衆トイレの3回だけでした。
リスボンの路面電車、マドリードの地下鉄、パリのメトロ、アムステルダムのトラム、すべてVISAタッチで乗れました。スーパーマーケット、カフェ、レストラン、美術館のチケット売り場、どこでもカードをかざすだけで支払いが完了します。
特に感動したのはオランダです。オランダでは現金を受け付けない店すらあります。「Cash? No, card only.」と言われたときは驚きましたが、タッチ決済対応のカードがあれば何の問題もありません。
一方で、すべての国でタッチ決済が万能というわけではありません。筆者がインドを旅行したときは、地方都市では現金が必須でした。デリーやムンバイの大きなモールではカードが使えますが、ローカルの食堂や市場では現金しか受け付けないところがほとんどです。リキシャー(三輪タクシー)の支払いも現金です。インドに限らず、東南アジアの地方部やアフリカなどでは、まだまだ現金が主役の地域があります。
渡航先によってカードと現金の比率を調整することが大切です。ヨーロッパならカード中心、アジアの地方部なら現金多めと、柔軟に対応しましょう。VISAとMastercardの地域別の使い勝手はVISA vs Mastercardの比較記事で詳しく解説しています。
海外旅行のカード利用で気をつけること
海外でクレジットカードを使う際に知っておくべきポイントをまとめます。
まず、DCC(Dynamic Currency Conversion)には注意してください。海外の店舗やATMで「日本円で支払いますか?」と聞かれることがあります。これに応じると、店舗側が設定した不利なレートで換算されるため、手数料が3〜5%上乗せされることがあります。必ず現地通貨での支払いを選んでください。
次に、カードの利用停止リスクです。海外で急にカードを使い始めると、不正利用と判断されて利用停止になることがあります。出発前にカード会社に海外渡航の連絡を入れておくと安心です。最近はアプリから簡単に設定できるカードも増えています。
そして、スキミング対策です。海外のATMではスキミング装置が仕掛けられていることがあります。空港や銀行内のATMなど、管理が行き届いている場所を選んで使いましょう。
海外旅行に必要なのはカードだけではない
クレジットカードの準備と合わせて、通信手段とセキュリティの確保もお忘れなく。
海外出張が多い方は出張向けクレジットカードの記事も参考になります。学生の方は学生向けクレジットカードの比較記事をどうぞ。デビットカードとの使い分けはデビットカード海外利用の記事で解説しています。
海外でのスマートフォンの通信には、eSIMが便利です。SIMカードの差し替えが不要で、出発前にアプリからセットアップできます。各社の料金やデータ容量を比較した記事を用意していますので、あわせてご覧ください。詳しくはeSIM比較の記事をどうぞ。
また、海外のフリーWi-Fiを使う場面では、VPNの利用をおすすめします。カード情報や個人情報を保護するために、通信を暗号化するVPNは海外旅行の必需品です。VPN比較の記事で主要サービスを比較しています。
まとめ:年会費無料でも海外旅行は十分戦える
年会費無料のクレジットカードでも、海外旅行で困ることはほとんどありません。
保険を重視するならエポスカード、還元率を重視するならリクルートカード、セキュリティを重視するなら三井住友カード(NL)、バランス重視なら楽天カードが最適です。JCBカードWはアジア・太平洋地域への旅行に強いサブカードとして活躍します。
筆者の32か国の旅行経験から言えることは、年会費の高さとカードの海外での使いやすさは比例しないということです。大切なのは、渡航先に合ったブランドを選ぶこと、タッチ決済に対応していること、そして最低2枚を別々の場所に保管して持っていくことです。
この記事で紹介した5枚はすべて年会費無料です。維持コストがかからないので、海外旅行用に1枚追加で作っておくというのも賢い選択です。空港ラウンジを重視する方は、年会費はかかりますがプライオリティパス付きカードの比較記事も参考にしてください。
渡航先の通信環境もあわせて準備しておくと安心です。eSIM比較記事で通信手段を、渡航先別の通信ガイド(ハワイ、バリ島、イタリア、モルディブなど)で現地事情を確認しておくと、出発前の準備が万全になります。
よくある質問
海外旅行にクレジットカードは何枚必要?
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