海外旅行にクレジットカードは何枚必要?2枚持ちの最適な組み合わせ
海外旅行にクレジットカードを何枚持っていけばよいのか。結論から書きます。最低2枚、理想は3枚です。
1枚しか持っていかないのはリスクが高すぎます。かといって5枚も6枚も持っていく必要はありません。2枚あれば大半のトラブルに対応でき、3枚あればほぼ万全です。
筆者は32か国を旅してきましたが、カード1枚で出発したことは一度もありません。むしろ、過去に1枚が使えなくなる場面を何度も経験したからこそ、複数枚持ちの重要性を痛感しています。
この記事では、なぜ2枚以上が必要なのか、どのカードをどう組み合わせるべきか、具体的なパターンを整理します。
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カード1枚だけで海外に行くリスク
「普段1枚で困っていないから海外も1枚で大丈夫」と考える方がいますが、海外と国内ではリスクの質が違います。筆者が実際に経験した、あるいは同行者が遭遇したトラブルを紹介します。
不正利用検知による利用停止
筆者がトルコのイスタンブールで買い物をしていたとき、突然カード決済が拒否されました。スマホを確認すると、カード会社から「不正利用の疑いがあるため一時的にカードを停止しました」という通知が届いていました。
海外での急な高額決済や、普段と異なる地域での利用は、カード会社のセキュリティシステムが不正利用と誤判定することがあります。日本にいれば電話1本で解除できますが、海外では時差の関係でカード会社のコールセンターに繋がりにくく、復旧に数時間かかることも珍しくありません。
このとき筆者は別のカードに切り替えて決済を続けましたが、もし1枚しか持っていなかったら、現金が尽きるまで何も買えない状態になっていたはずです。
磁気不良・ICチップの接触不良
カードの磁気ストライプやICチップは、物理的に劣化します。日本では端末の性能が高いので多少の劣化は読み取ってくれますが、海外の古い端末では読み取れないケースがあります。
ポルトガルのリスボンで、ある小さなレストランの端末がどうしても筆者のカードを読み取れず、何度差し込んでも「エラー」が表示され続けたことがあります。別のカードを出したら一発で通りました。カード側の問題なのか端末側の問題なのか原因は不明ですが、予備があったおかげで食事代を払えない窮地は避けられました。
盗難・紛失
海外では日本よりもスリや置き引きのリスクが高い国があります。財布ごと盗まれた場合、中に入っているカードはすべて使えなくなります。
ここで重要なのは、カードを複数持つだけでなく分散して保管することです。全部同じ財布に入れていたのでは、盗まれたときに全滅します。この点については記事の後半で詳しく触れます。
2枚持ちが「最低ライン」である理由
2枚持ちが推奨される理由は、単純にバックアップがあるかないかの問題です。1枚が使えなくなっても、もう1枚で旅行を継続できます。
ただし、2枚を持つなら同じブランドではなく異なるブランドにするのが鉄則です。
VISA + Mastercardの組み合わせが合理的
海外での加盟店数が最も多いのはVISAとMastercardです。この2つで世界のクレジットカード決済の大半をカバーしています。
VISAしか使えない店、Mastercardしか使えない店というのは稀ですが、決済ネットワークの障害が発生した場合はブランド単位で影響を受けます。2022年にはVISAのネットワーク障害でヨーロッパ全域のVISA決済が一時停止する事態が発生しました。こうしたとき、Mastercardを持っていれば問題なく決済を続けられます。
2枚ともVISAで揃えていると、ネットワーク障害という一つのリスクに対して無防備になります。ブランドを分散させるのは、保険の意味で合理的な判断です。
JCBやAMEXを2枚のうちの1枚にするのは避ける
JCBとAmerican Expressは、加盟店数でVISA・Mastercardに大きく劣ります。特にヨーロッパの小規模店舗やアフリカ、中南米ではJCB・AMEXが使えない場面が多いです。
2枚しか持っていかない場合、そのうち1枚がJCBやAMEXだと、実質的にVISAまたはMastercardの1枚頼りになってしまいます。2枚持ちの安心感を最大化するなら、VISAとMastercardで揃えるべきです。
3枚目を持つ意味はあるのか
2枚でも十分に機能しますが、3枚目があるとさらに安心感が増すケースがあります。
3枚目に求める役割は、決済用のバックアップではなく付加価値です。具体的には以下のような目的が考えられます。
- 海外旅行保険の上乗せ(保険付帯カードを追加することで補償額を合算できる)
- ポイント還元率の最大化(メイン決済カードとは別に高還元カードを使い分ける)
- 特定地域での利便性(アジア旅行が多いならJCBカードを追加する)
3枚目は「なくても旅行はできるが、あるとメリットがある」というポジションです。無理に3枚にする必要はありませんが、年会費無料のカードであれば持っておいて損はありません。
組み合わせパターン4選
ここからは具体的なカードの組み合わせを4パターン紹介します。どれが正解というわけではなく、旅行スタイルや重視するポイントによって最適解が変わります。
パターン1:保険重視の2枚構成
| 役割 | カード名 | ブランド | 年会費 | 海外旅行保険 | 還元率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 保険+サブ決済 | エポスカード | VISA | 無料 | 自動付帯 | 0.5% |
| メイン決済 | 楽天カード | Mastercard | 無料 | 利用付帯 | 1.0% |
最もシンプルで多くの人に向く組み合わせです。
エポスカードは年会費無料で海外旅行傷害保険が自動付帯する希少なカードです。傷害治療200万円、疾病治療270万円という補償額は、無料カードの中では頭一つ抜けています。VISAブランドなので世界中で使えます。
楽天カードはMastercardを選ぶことでブランド分散ができます。還元率1.0%で海外利用分もポイントが貯まるため、メインの決済カードとして活躍します。海外旅行保険は利用付帯ですが、航空券の支払いに使えば保険が有効になります。
この2枚なら年会費は合計0円。VISA + Mastercardのブランド分散、自動付帯と利用付帯の保険二重持ちが実現します。
筆者もこの組み合わせを数年間使い続けており、32か国中どの国でも不便を感じたことはありません。迷ったらこのパターンを選べば間違いありません。
パターン2:還元率を追求する3枚構成
| 役割 | カード名 | ブランド | 年会費 | 海外旅行保険 | 還元率 |
|---|---|---|---|---|---|
| メイン決済 | リクルートカード | VISA | 無料 | 利用付帯 | 1.2% |
| 保険+サブ決済 | エポスカード | VISA | 無料 | 自動付帯 | 0.5% |
| ブランド分散 | 楽天カード | Mastercard | 無料 | 利用付帯 | 1.0% |
旅行中にカード決済をたくさんする方は、メイン決済カードの還元率が重要になります。
リクルートカードは年会費無料カードで最高水準の還元率1.2%です。海外事務手数料は1.63%と標準的。20万円分の海外決済で2,400ポイント貯まる計算です。楽天カードの1.0%(2,000ポイント)と比べて400ポイントの差が出ます。
ただし、リクルートカードのVISAとエポスカードのVISAでブランドが重複するため、3枚目に楽天カード(Mastercard)を加えてブランドの偏りを解消しています。
3枚とも年会費無料なので維持コストはゼロです。「還元率で1円でも得をしたい」という方に向いた構成です。
パターン3:ステータスカードを軸にする構成
| 役割 | カード名 | ブランド | 年会費 | 海外旅行保険 | 還元率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ラウンジ+ステータス | アメックスゴールド | AMEX | 31,900円 | 自動付帯+利用付帯 | 1.0% |
| 決済メイン+保険 | エポスカード | VISA | 無料 | 自動付帯 | 0.5% |
アメックスゴールドはPriority Passの年2回無料利用、傷害治療・疾病治療各300万円の保険、手荷物無料宅配サービスなど、旅行関連の特典が豊富です。
ただしAMEXは加盟店数でVISA・Mastercardに劣るため、海外の小規模店舗では使えない場面があります。そこでエポスカード(VISA)を組み合わせることで、AMEXが使えない場面をVISAでカバーします。
注意点として、年会費31,900円(税込)は年1〜2回の海外旅行では元を取りにくい金額です。年3回以上海外に行く方、空港ラウンジを重視する方に限られる構成です。費用対効果を冷静に計算した上で選んでください。
パターン4:アジア旅行に特化した構成
| 役割 | カード名 | ブランド | 年会費 | 海外旅行保険 | 還元率 |
|---|---|---|---|---|---|
| アジア決済+メイン | JCBカードW | JCB | 無料 | 利用付帯 | 1.0% |
| 保険+VISA決済 | エポスカード | VISA | 無料 | 自動付帯 | 0.5% |
渡航先がアジアの観光地に限られるなら、JCBカードWを組み合わせる選択肢もあります。
JCBはハワイ、韓国、台湾、タイ、シンガポールなどの主要観光地では加盟店が多く、JCBプラザラウンジという日本語対応の相談窓口も設置されています。初めての海外旅行で日本語サポートがあると安心という方には心強い存在です。
海外事務手数料は1.60%で、VISAやMastercardの主要カード(1.63%)よりわずかに低い水準です。還元率も1.0%あるため、アジア圏での決済メインカードとして十分機能します。
ただし、JCBが使えない店舗も当然あるため、エポスカード(VISA)を必ず併せ持つようにしてください。ヨーロッパや中南米への旅行では、JCBカードの出番はほとんどありません。
渡航先別のカードブランド対応状況
どのブランドがどの地域で強いのかを整理します。
| 渡航先 | VISA | Mastercard | JCB | AMEX | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| ヨーロッパ全般 | ◎ | ◎ | △ | ○ | VISA/MCのタッチ決済が主流 |
| アメリカ・カナダ | ◎ | ◎ | △ | ◎ | AMEXの本拠地で加盟店多い |
| 韓国 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | JCBの加盟店が充実 |
| 台湾 | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | JCBプラザあり |
| タイ | ◎ | ◎ | ○ | △ | 観光地ではJCB利用可 |
| シンガポール | ◎ | ◎ | ○ | ○ | 主要ブランド全般使える |
| オーストラリア | ◎ | ◎ | △ | ○ | VISA/MCが圧倒的 |
| 中東 | ◎ | ◎ | × | △ | VISA/MCのみと考えてよい |
| アフリカ | ○ | ○ | × | × | カード自体使えない場所も多い |
| 中南米 | ○ | ○ | × | △ | 現金社会の国が多い |
◎=ほぼどの店でも使える ○=主要店舗では使える △=大型店舗に限られる ×=ほぼ使えない
この表からわかるとおり、VISAとMastercardはどの地域でも安定して使えます。JCBが力を発揮するのはアジアの観光地が中心で、AMEXはアメリカとヨーロッパの都市部に限られます。
渡航先が決まっていない段階でカードを選ぶなら、VISA + Mastercardの組み合わせが最も汎用性が高いという結論になります。
カードを分散保管する具体的な方法
複数枚のカードを持っていても、すべて同じ場所に保管していては意味がありません。財布が盗まれれば全滅するからです。
筆者が実践している保管方法を紹介します。
メインカード:普段持ち歩く財布に1枚
日常の決済に使うメインカードは、いつもの財布に入れて持ち歩きます。筆者の場合は楽天カード(Mastercard)がこのポジションです。
財布はズボンの前ポケットか、ジッパー付きのショルダーバッグの内ポケットに入れます。後ろポケットに財布を入れる習慣がある方は、海外では前ポケットに変更することを強く推奨します。
サブカード:宿泊先のセーフティボックスに1枚
2枚目のカードは、宿泊先の部屋にあるセーフティボックス(金庫)に保管します。外出中に持ち歩く必要はありません。メインカードが使えなくなったときに宿に戻って取り出せば十分です。
セーフティボックスがない宿泊先の場合は、スーツケースの内ポケットにTSAロック付きで保管するか、パスポートと一緒にセキュリティポーチに入れて身に着けておく方法があります。
3枚目がある場合:スーツケースの中に分散
3枚目があれば、スーツケースの衣類の間に忍ばせておきます。仮に財布が盗まれ、セーフティボックスも開けられる最悪のケースでも、スーツケースの中にカードが残っていれば旅行を続けられます。
この「3か所分散」の考え方は、パスポートのコピーや現金の保管にも応用できます。すべてを1か所にまとめないことが、海外でのリスク管理の基本です。
出発前にやっておくべき設定
カードを揃えて分散保管の準備ができたら、出発前に以下の確認をしておくと安心です。
海外利用の事前通知
カード会社によっては、海外での利用予定を事前に登録できるサービスがあります。これを設定しておくと、不正利用検知による誤停止のリスクを減らせます。
エポスカードの場合はエポスアプリから「海外利用のお知らせ」を設定できます。楽天カードの場合は楽天e-NAVIから海外利用の設定が可能です。
暗証番号の確認
日本ではサインやタッチ決済で済む場面が多いですが、海外ではPIN(暗証番号)の入力を求められるケースが頻繁にあります。フランスの鉄道駅の自動券売機、ヨーロッパの有料道路の料金所、ATMでの現金引き出しなど、暗証番号がなければ決済できない場面は意外と多いです。
暗証番号を忘れている方は、出発前にカード会社に問い合わせて確認しておいてください。暗証番号の変更には数日かかる場合もあるため、余裕を持って準備することをおすすめします。
カード会社の緊急連絡先を控える
カードを紛失した場合、速やかにカード会社に連絡して利用停止の手続きをする必要があります。カード裏面に記載されている電話番号は、カードを失くした時点で確認できなくなります。
スマートフォンのメモアプリやクラウドメモに、各カード会社の海外からの緊急連絡先を保存しておきましょう。カード番号の下4桁もメモしておくと、電話での本人確認がスムーズに進みます。
「何枚」よりも「どう組み合わせるか」が大事
ここまで読んでいただいた方にはおわかりかと思いますが、枚数そのものよりも組み合わせの質が重要です。
VISA3枚を持っていくよりも、VISA1枚 + Mastercard1枚のほうがリスク分散になります。年会費の高いゴールドカード1枚よりも、年会費無料のカード2枚のほうが実用的な場面も多いです。
迷っている方への筆者の推奨は、パターン1の「エポスカード(VISA)+ 楽天カード(Mastercard)」です。年会費ゼロで、保険とブランド分散の両方を満たせます。エポスカードの詳しいレビューと年会費無料カード5枚の比較記事もあわせて参考にしてください。
クレジットカードの準備と同じくらい大切なのが、渡航先の通信手段の確保です。海外でスマートフォンを使うには、eSIMが最もコスパの良い選択肢になっています。海外eSIMの比較記事で主要サービスを整理していますので、出発前にチェックしてみてください。
また、海外のフリーWi-Fiに接続する際のセキュリティ対策として、VPNの導入も検討する価値があります。カード情報を含む個人データの保護についてはVPN比較の記事で解説しています。
カードの準備、通信手段の確保、セキュリティ対策。この3つを出発前に済ませておけば、海外旅行のトラブルリスクは大幅に下がります。
よくある質問
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