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海外でLINEが使えない国がある|通話・メッセージを確実に使うための対策

上海に着いてスマホを開いたら、LINEが繋がらない。トーク画面の送信ボタンを押しても、くるくる回るだけでメッセージが届かない。

2年前の出張でこれを経験したとき、正直かなり焦りました。現地の取引先との連絡手段がLINEだったからです。空港のWiFiに繋いでもダメ、ホテルのWiFiでもダメ。何度再起動しても状況は変わりません。結局、同行していた中国出張の経験がある同僚に「中国ではLINE使えないよ。VPN入れないと」と教えてもらい、その場でVPNアプリをダウンロードして事なきを得ました。

この記事では、筆者のこの経験をもとに、海外でLINEが使えない国とその理由、そして渡航前にやっておくべき対策をまとめます。「海外でもLINEくらい普通に使えるでしょ」と思っている方にこそ読んでほしい内容です。

大前提:海外でLINEを使うにはネット接続が必要

まず基本的なことを確認しておきます。LINEはインターネット回線を使うアプリです。携帯電話の音声回線(電話番号で発着信するもの)とは仕組みが違います。

つまり、海外でLINEを使うには何らかの方法でインターネットに接続する必要があります。選択肢は大きく3つです。

  • eSIM(海外用の現地データ回線)
  • 現地のWiFi(ホテル、カフェ、空港など)
  • キャリアのデータローミング

このうち、キャリアのデータローミングは1日あたり数千円かかるケースが多く、知らずに使って帰国後に数万円の請求が来たという話は珍しくありません。海外でのネット接続はeSIMで確保するのが、料金的にも安定性の面でも最善です。eSIMの選び方はeSIM比較記事で詳しくまとめているので、まだ用意していない方は先にそちらをご覧ください。

ネット接続さえ確保できれば、世界のほとんどの国でLINEは問題なく使えます。ただし「ほとんどの国」であって「すべての国」ではない。ここが今回の本題です。

LINEが使えない国・制限がある国

LINEの利用が制限されている国には、いくつかのパターンがあります。「アプリそのものがブロックされている国」「通話機能だけが制限されている国」「過去に一時的な制限があった国」、そして「通常どおり使える国」に分けて整理します。

完全ブロック:中国

中国ではLINEのメッセージも通話もすべて使えません。これは中国政府が運用する「グレートファイアウォール(金盾)」と呼ばれるインターネット検閲システムによるものです。

中国政府は国内のコミュニケーションをWeChat(微信)に集約させる方針をとっています。WeChatは中国国内で10億人以上が利用するメッセージングアプリで、支払い・行政手続き・ビジネスまで一体化した「国民的インフラ」です。LINEのような海外発のメッセージングアプリは、グレートファイアウォールによってブロックされています。LINEだけでなく、Google、YouTube、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)なども軒並み使えません。

筆者が上海で体験したように、空港に着いてから気づくのでは遅すぎます。中国でLINEを使いたければ、渡航前にVPNを準備しておくのが鉄則です。中国渡航の準備全般については中国旅行ガイドにまとめています。

部分制限:UAE(ドバイ・アブダビ)

ドバイやアブダビがあるUAE(アラブ首長国連邦)では、LINEのテキストメッセージは使えますが、音声通話とビデオ通話がブロックされます。

UAEがVoIP(インターネット通話)を規制している理由は、国営通信事業者であるEtisalatとduの収益を保護するためとされています。LINEに限らず、WhatsAppの通話、FaceTime、Skypeなど、インターネット経由の音声通話サービスは広く制限されています。

「メッセージは送れるのに通話だけできない」という中途半端な状態になるため、現地に着いてから混乱する日本人旅行者は少なくありません。ドバイ旅行を予定している方は、音声通話が必要ならVPNを用意しておいてください。

一時的な制限:インドネシア

インドネシアでは、過去にSNSやメッセージングアプリに対して一時的なアクセス制限がかけられたことがあります。2019年には政治的なデモの際にソーシャルメディアへのアクセスが制限され、LINEを含む複数のサービスが影響を受けました。

現在はこの制限は解除されており、通常どおりLINEを利用できます。ただし、インドネシア政府が再び一時的な制限をかける可能性はゼロではありません。バリ島やジャカルタへの旅行を計画している方は、念のためVPNを入れておくと安心です。

通常利用可能な国

旅行先として人気のある以下の国・地域では、ネット接続さえあればLINEは問題なく使えます。

  • 韓国(LINEの運営元であるLINEヤフーの拠点があり、利用率も高い)
  • タイ(LINE利用者数が多く、決済サービスLINE Payも普及)
  • 台湾(日本と同様にLINEが主要コミュニケーションツール)
  • ベトナム
  • シンガポール
  • ハワイ・アメリカ本土
  • ヨーロッパ各国

筆者も韓国やタイ、シンガポールなどでLINEを使っていますが、接続に問題があったことは一度もありません。心配すべきなのは、主に中国とUAEの2カ国です。

国別のLINE利用状況まとめ

国・地域制限の内容対策
中国メッセージ・通話すべてブロックVPN必須
UAE(ドバイ等)VoIP通話・ビデオ通話ブロックテキストは可。通話にはVPN必要
イランSNS全般に制限あり時期により変動。VPN推奨
インドネシア現在は制限なし(過去に一時制限あり)念のためVPN推奨
北朝鮮インターネット自体がほぼ使用不可一般の旅行者には関係が薄い
韓国・タイ・台湾等制限なしeSIMでネット接続を確保するだけ

なぜ国がLINEをブロックするのか

LINEが使えない理由は国によって異なりますが、大きく2つの動機に分類できます。

1つ目は情報統制です。中国やイランのように、政府が国民のインターネット利用を管理・監視したい国では、暗号化されたメッセージングアプリは都合が悪い存在です。政府がメッセージの内容を検閲できないサービスは、ブロックの対象になります。中国の場合はさらに、WeChatという国産アプリを推進するという産業政策的な側面もあります。

2つ目は通信事業者の保護です。UAEのように、国営の通信会社が大きな収益源になっている国では、無料のインターネット通話サービスは脅威です。国際電話の高い通話料金で利益を上げている事業者にとって、LINEやWhatsAppの無料通話は直接的な競合になります。

いずれにしても、旅行者の立場でこの規制を変えることはできません。対策はシンプルで、VPNを使うことです。

対策1:VPNを使えばブロックを回避できる

VPNとは、自分のスマホと海外のサーバーの間に暗号化されたトンネルを作る仕組みです。中国にいても、VPNで日本のサーバーに接続すれば、通信は日本経由でインターネットに出ていきます。中国のグレートファイアウォールから見ると、暗号化されたデータが流れているだけで、それがLINEの通信なのかどうか判別できません。

筆者が上海で同僚に教えてもらって以来、中国出張には必ずVPNを入れて行くようになりました。VPNをオンにした瞬間、それまで沈黙していたLINEの通知が一気に届いたときの安心感は今でも覚えています。

中国でのVPN利用イメージ

流れは以下のとおりです。

  1. スマホでVPNアプリを起動する
  2. 日本のサーバーに接続する(ワンタップで接続できるアプリが多い)
  3. VPN接続中は通信が日本経由になる
  4. LINEを開くと、日本にいるときと同じように使える

UAEでVoIP通話を使いたい場合も手順は同じです。VPNで日本サーバーに接続した状態でLINE通話を発信すれば、VoIP規制の影響を受けずに通話できます。

VPNを選ぶときに重要なポイント

中国やUAEでの利用を前提にすると、どのVPNでも良いわけではありません。以下の点を確認してください。

  • 中国で実際に動作するかどうか(中国はVPN自体もブロックしているため、対応していないVPNは接続できない)
  • 難読化(obfuscation)機能があるか(VPN通信であること自体を隠す機能)
  • スマホアプリの使い勝手が良いか(旅行中はPCよりスマホがメイン)
  • 日本にサーバーがあるか(日本のIPアドレスが必要な場面がある)

これらの条件を満たすVPNとして、筆者が実際に使っているのはNordVPNです。中国での動作実績があり、難読化サーバーも用意されています。詳しいレビューはNordVPN レビュー記事にまとめています。

他のVPNサービスも含めた比較はVPN比較記事をご覧ください。中国対応の有無を含め、海外旅行に必要な観点で比較しています。

渡航前にVPNを設定しておくべき理由

ここで絶対に注意してほしいのが、VPNは渡航前にインストール・設定を済ませておくということです。

中国に着いてからVPNアプリをダウンロードしようとしても、Google PlayストアもApp Storeの海外アプリも制限されている場合があります。筆者が上海で同僚に助けてもらえたのは、同僚のスマホにすでにVPNが入っていたからです。一人で出張していたらどうなっていたか分かりません。

UAEでも同様で、現地に着いてからVPNサービスのWebサイトにアクセスしようとしても、ブロックされている可能性があります。日本にいるうちにアプリのインストールとアカウント作成を済ませ、接続テストまでやっておくのが安全です。

対策2:LINE以外の連絡手段も確保しておく

VPNがあれば中国でもUAEでもLINEは使えます。ただし、VPNの接続が不安定になったり、アプリの不具合で接続できなくなったりする可能性はゼロではありません。万が一のために、LINE以外の連絡手段も用意しておくと安心です。

WhatsApp

世界で最も利用者が多いメッセージングアプリです。中国ではLINEと同様にブロックされていますが、それ以外のほとんどの国で使えます。ヨーロッパや東南アジアでは現地の人との連絡にも便利です。渡航前にインストールして、家族や同行者とWhatsAppでも繋がっておくと、LINEが使えないときのバックアップになります。

iMessage

iPhoneどうしであれば、iMessageが使えます。iMessageはAppleのサービスで、LINEとは異なるサーバーを経由するため、LINEがブロックされている国でもiMessageは使える場合があります。ただし中国ではiMessageも不安定になることがあるため、過信は禁物です。

SMS(ショートメッセージ)

SMSは電話番号を使ったメッセージサービスで、インターネット接続がなくても携帯電話回線さえあれば送受信できます。eSIMでデータ通信だけの契約をしている場合はSMSが使えないこともありますが、日本のキャリアのSIMが入っていればローミングでSMSの送受信は可能です。料金は1通あたり100円程度かかりますが、緊急時の連絡手段としては確実です。

対策3:eSIMとVPNの組み合わせで万全の体制を作る

海外でLINEを確実に使うための最善策は、eSIMとVPNの両方を準備しておくことです。

eSIMが解決するのは「インターネット接続」の問題です。WiFiを探し回る必要がなく、空港に着いた瞬間からモバイルデータ通信が使えます。料金もキャリアのデータローミングより大幅に安く、渡航先にもよりますが1日あたり数百円程度で済むケースが大半です。

VPNが解決するのは「通信規制」の問題です。中国やUAEのように、特定のサービスがブロックされている国でも、VPNで日本サーバーに接続すれば規制を回避できます。

さらに、VPNには通信の暗号化という副次的なメリットもあります。海外のフリーWiFiを使わざるを得ない場面では、通信傍受のリスクがありますが、VPNをオンにしておけばデータが暗号化されるため安全性が高まります。

つまり、eSIMで安定したデータ通信を確保し、VPNで規制回避と暗号化を行う。この組み合わせが、海外でのLINE利用において最も確実で費用対効果の高い方法です。

eSIMの設定方法はeSIM設定ガイドで手順を詳しく解説しています。eSIMの選び方はeSIM比較記事をご覧ください。

渡航前チェックリスト:海外でLINEを確実に使うために

最後に、渡航前にやっておくべきことをまとめます。

すべての渡航先で共通

  • eSIMを購入・インストールしておく(eSIM比較記事を参考に)
  • eSIMの設定手順を確認しておく(eSIM設定ガイドを参考に)
  • スマホのデータローミング設定をオフにしておく
  • LINEアプリを最新版にアップデートしておく
  • LINEのトーク履歴をバックアップしておく(万が一に備えて)
  • LINE以外の連絡手段(WhatsAppなど)もインストールしておく

中国・UAE・イランに行く場合(追加で必要な準備)

  • VPNアプリをインストールし、アカウント作成・支払いを済ませておく(VPN比較記事を参考に)
  • VPNの接続テストを日本で行っておく
  • 中国の場合は難読化サーバーへの接続方法を確認しておく
  • 緊急連絡用にSMSやメールなど、VPN不要の連絡手段も確保しておく
海外でLINEを使うための通信手段の選び方はeSIM主要5社の比較記事にまとめています。

まとめ

海外でLINEが使えなくなるのは、多くの場合「知らなかった」ことが原因です。

ほとんどの国ではeSIMでネット接続を確保するだけでLINEは問題なく使えます。ただし中国に行く場合はVPNが必須で、UAEでは通話にVPNが必要です。筆者は上海で痛い目を見てからは、海外出張の準備リストに「VPN確認」を入れるようになりました。

LINEは日本人にとって生活インフラです。家族との連絡、仕事のやりとり、旅先での待ち合わせ。海外で突然使えなくなったときのストレスは、経験した人にしか分かりません。

渡航前の10分間で、eSIMとVPNを準備しておくだけで、その不安はなくなります。

eSIM選びに迷ったら → 海外旅行向けeSIM比較はこちら VPN選びに迷ったら → 海外旅行向けVPN比較はこちら 中国渡航の準備全般 → 中国旅行ガイドはこちら

よくある質問

海外でLINEのメッセージは使える?
ネット接続さえあれば、ほとんどの国でLINEのメッセージは使えます。eSIMやWiFiで通信環境を確保すれば問題ありません。ただし中国ではVPNが必要です。
海外でLINEの無料通話は使える?
中国やUAEを除けば使えます。ただしフリーWiFiだと音声が途切れやすいので、安定した通信環境(eSIMのモバイルデータ)をおすすめします。
中国でLINEを使うには?
VPNが必須です。中国のグレートファイアウォールによってLINEはブロックされています。渡航前にNordVPNなどのVPNを設定しておけば、中国でもLINEが使えます。
ドバイでLINE通話ができないのはなぜ?
UAEではVoIP(インターネット通話)が規制されています。LINEのメッセージは使えますが、音声通話とビデオ通話はブロックされます。VPNを使えば回避できます。
海外でLINEを使うとお金がかかる?
LINE自体は無料ですが、データ通信が必要です。eSIMやWiFiで通信環境を確保していれば追加料金はかかりません。キャリアのデータローミングで使うと高額になるので注意してください。

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