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海外旅行保険はいらない?不要と言える人・必要な人の条件を整理

「海外旅行保険なんて入らなくていい」。ネット上にはそんな意見が少なくありません。

先に結論を書きます。保険なしで問題ないと言い切れる人は、かなり限られます。具体的には「渡航先の医療費が安い」「旅行期間が短い」「高額品を持ち歩かない」「危険なアクティビティをしない」の4条件をすべて満たす人だけです。1つでも外れるなら、何らかの形で保険を確保しておくべきです。

この記事では、保険が不要と判断できるケースと、保険なしでは危険なケースを、できるだけ具体的な数字と条件で整理します。

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保険が「不要」と言える4つの条件

まず、個別の海外旅行保険に入らなくてもよいと判断できる条件を整理します。この4つをすべて満たしている場合に限り、クレジットカードの付帯保険だけで渡航するという選択が現実的になります。

条件1は、渡航先の医療費が比較的安いことです。東南アジア(タイ、ベトナム、フィリピンなど)や東アジア(韓国、台湾)であれば、外来の診察で1〜3万円、入院を伴う治療でも50〜100万円程度に収まるケースが大半です。クレジットカードの付帯保険で疾病治療270万円(エポスカードの場合)あれば、この水準の医療費には対応可能です。

条件2は、旅行期間が2週間以内であることです。期間が短ければ、病気やケガに遭遇する確率そのものが低くなります。統計的にも、旅行保険の事故発生率は旅行期間が長くなるほど上昇します。

条件3は、高額な携行品を持ち歩かないことです。一眼レフカメラ、ノートPC、高級腕時計などを持参しないのであれば、携行品損害の補償が手薄でも問題は小さいです。スマートフォン1台程度であれば、カード付帯保険の携行品損害20万円(エポスカードの場合)でカバーできます。

条件4は、危険度の高いスポーツやアクティビティを予定していないことです。スキューバダイビング、スキー、サーフィン、パラグライダーなどは、通常の観光と比べてケガのリスクが格段に高くなります。カード付帯保険ではアクティビティ中の事故を免責とする約款もあるため、注意が必要です。

この4条件をすべて満たす旅行の典型例は「タイに1週間、観光メインでバックパック旅行」といったケースです。

保険が「必要」な人の条件

逆に、以下のいずれかに該当する場合は、カード付帯保険だけに頼るのはリスクが高いと筆者は考えています。

最も明確なのはアメリカへの渡航です。アメリカの医療費は世界で突出して高額です。盲腸の手術で300万円以上、骨折の入院治療で100〜200万円、救急車の利用だけで10〜30万円。カード付帯保険の疾病治療270万円では、入院を伴うケースで簡単に上限を超えます。ハワイも同様です。リゾート気分で渡航しがちですが、医療費の水準はアメリカ本土と変わりません。

2つ目は2週間を超える長期旅行です。旅行期間が長くなれば、体調不良やトラブルに遭遇する確率は上がります。1か月以上の滞在では、食事や環境の変化による体調不良が起きやすくなる実感が筆者にもあります。

3つ目はダイビングやスキーなどのアクティビティを予定している場合です。レジャー系の事故は治療費が高額になりやすく、減圧症の治療(高圧酸素療法)は1回あたり数十万円、骨折の手術は渡航先によっては100万円を超えます。

4つ目は高額な機材を持ち歩く場合です。一眼レフカメラとレンズ一式で50万円、ノートPCとタブレットで30万円といった装備を持ち歩くなら、カード付帯保険の携行品損害20万円(1品あたり上限10万円)では到底カバーできません。

5つ目は家族連れの旅行です。エポスカードの付帯保険はカード会員本人のみが対象です。配偶者や子どもの補償はありません。家族全員分の保険を確保するには、家族特約のあるゴールドカードか、個別の旅行保険が必要です。

クレカ付帯保険で足りるケースの具体例

「条件だけ並べられても判断しにくい」という方のために、具体的なシナリオで考えてみます。

シナリオ:30代会社員Aさん。タイ・バンコクに1週間の観光旅行。エポスカード(年会費無料、自動付帯)を所持。荷物はスマートフォンとバックパックのみ。アクティビティは寺院巡りと市場散策が中心。

この場合のリスクと補償の対応は以下のとおりです。

リスク想定される費用エポスカードの補償判定
食あたりで外来受診1〜3万円疾病治療270万円十分
転倒して骨折、入院5日30〜80万円傷害治療200万円十分
スマホの盗難10〜15万円携行品損害20万円十分
ホテルの備品を壊す数万円賠償責任3,000万円十分

東南アジアへの短期観光旅行で、高額な機材を持ち歩かない場合、エポスカードの付帯保険でほぼすべてのリスクに対応できます。このケースであれば「保険は不要」という判断に合理性があります。

さらに楽天カード(利用付帯)の保険も合算すれば、疾病治療は最大470万円になります。楽天カードで航空券を購入するだけで利用付帯の条件はクリアできるため、手間もほとんどかかりません。カード付帯保険の合算の仕組みについては付帯保険の詳細記事で解説しています。

クレカ付帯保険では足りないケースの具体例

次に、カード付帯保険だけでは足りないシナリオを見てみます。

シナリオ:30代会社員Bさん。ハワイに10日間の旅行。エポスカードと楽天カードを所持(合算で疾病治療470万円)。旅行中にスキューバダイビングの体験ツアーに参加予定。

リスク想定される費用カード付帯の補償判定
腹痛で外来受診10〜30万円疾病治療470万円ギリギリ
骨折で入院3日150〜300万円傷害治療400万円不足の可能性
盲腸手術300〜700万円疾病治療470万円明確に不足
ダイビング中の事故100〜500万円免責の可能性あり危険
救急搬送30〜100万円追加で発生上限を圧迫

ハワイ(アメリカ)での入院・手術は470万円を簡単に超えます。しかもダイビング中の事故はカード付帯保険の免責事項に該当する可能性があり、そもそも保険が下りないリスクがあります。

このケースでは個別の海外旅行保険に加入するべきです。ネットで事前に申し込めば、ハワイ10日間で3,000〜5,000円程度。数千円の投資で数百万円のリスクを回避できるなら、費用対効果は極めて高いと言えます。

「確率は低いが起きたら破滅」というリスクの考え方

海外旅行で入院するほどの病気やケガに遭遇する確率は、実際のところ高くありません。ジェイアイ傷害火災保険のデータによると、海外旅行保険の事故発生率は3〜4%程度です。100人中96〜97人は何事もなく帰国します。

「ほら、ほとんどの人は保険を使わないんだから不要じゃないか」。そう考える気持ちは理解できます。筆者も32か国を旅して、保険金を請求したのはスペインでの胃腸炎1回だけです。

しかし、保険の本質は確率ではなく「起きたときのダメージの大きさ」にあります。

自動車保険を考えてみてください。交通事故を起こす確率は低いですが、だからといって任意保険に入らない人はごく少数でしょう。理由は単純で、事故を起こしたときの賠償金額が個人で払えるレベルを超えるからです。

海外医療費も同じ構造です。アメリカで入院して手術を受ければ500万円、1,000万円という請求が来る可能性があります。日本の健康保険は海外の医療費には適用されません(海外療養費制度はあるものの、支給額は日本国内の基準額のみ)。つまり、海外での高額医療費は丸ごと自己負担になります。

「確率が低いから大丈夫」と言えるのは、起きたときのダメージを自力で吸収できる場合に限ります。数百万円の医療費を貯蓄から払えるなら保険は不要です。しかし大多数の人にとって、それは現実的ではないはずです。

実際に海外で発生した高額医療費のケース

ジェイアイ傷害火災保険が公開している海外旅行保険の事故データから、実際に発生した高額請求のケースをいくつか紹介します。

アメリカ(ハワイ含む)での事例として、食事中に呼吸困難を起こし救急搬送、10日間の入院で治療費が約2,800万円というケースが報告されています。脳卒中で3週間入院し、医療搬送で日本に帰国したケースでは約3,000万円。これらは極端な事例ですが、実際に発生した金額です。

ヨーロッパでは、フランスで交通事故に遭い骨折、入院・手術で約500万円。ドイツで心筋梗塞を発症し、2週間の入院と手術で約800万円。

東南アジアでも高額なケースは存在します。タイで重度の食中毒により1週間入院し、治療費が約150万円。バリ島でバイク事故に遭い、シンガポールの病院に医療搬送されたケースでは約400万円。

エポスカードの疾病治療270万円でカバーできるのは、東南アジアの入院治療程度です。アメリカの事例は桁が違います。

コストパフォーマンスの良い保険の入り方

「保険が必要なのはわかった。でも毎回数千円かかるのは嫌だ」。年に複数回海外に行く人であれば、当然の感覚です。

保険料を抑えるポイントは3つあります。

1つ目は、空港ではなくネットで事前に申し込むことです。同じ保険会社の同じプランでも、窓口とネット申込で保険料が30〜50%違うことは珍しくありません。損保ジャパンの「新・海外旅行保険off!」はネット専用商品のため、そもそもの価格設定が安くなっています。

2つ目は、バラ掛け(フリープラン)を活用することです。セットプランではなく、補償項目を自分で選んで必要なものだけ契約する方法です。たとえば、エポスカードの付帯保険で賠償責任3,000万円と携行品損害20万円はカバーされているなら、個別保険では疾病・傷害治療費用だけを上乗せすればよいのです。不要な項目を外せば、保険料は大幅に下がります。

3つ目は、カード付帯保険をベースにして差額だけ個別保険で埋めるという考え方です。エポスカードの疾病治療270万円をベースに、個別保険で500万円を上乗せすれば合計770万円。これならヨーロッパの入院もカバーできます。フルスペックの個別保険を単独で契約するより、はるかに安く済みます。

各保険会社のプランと料金の詳しい比較は海外旅行保険5社比較の記事にまとめています。

エポスカードの付帯保険をベースにする理由

バラ掛けや上乗せの話をすると「なぜエポスカード前提なのか」と思われるかもしれません。理由は明確で、年会費無料で自動付帯かつ補償額が高いカードが、2026年時点ではエポスカードほぼ一択だからです。

楽天カードも疾病治療200万円と悪くない数字ですが、利用付帯です。航空券や空港への交通費を楽天カードで支払わなければ保険が有効になりません。「うっかり別のカードで決済してしまった」場合、保険はまったく使えません。

三井住友カード(NL)は傷害・疾病ともに50万円。海外の医療費を考えると、この金額だけで渡航するのは現実的ではありません。

エポスカードは持っているだけで保険が有効になる自動付帯です。条件を気にする必要がなく、「保険が有効だと思っていたのに実は無効だった」という最悪の事態を回避できます。エポスカードの保険の詳細はエポスカード旅行保険の記事で検証しています。

海外で使えるクレジットカード全般については年会費無料カード5枚の比較記事も参考にしてください。

判断フローチャート:自分に保険が必要か

最後に、保険の要否を判断するためのフローを整理します。

渡航先はアメリカ(ハワイ含む)ですか。はいの場合、個別保険に加入してください。アメリカの医療費はカード付帯保険ではカバーしきれません。

渡航先がアメリカ以外の場合、旅行期間は2週間以内ですか。いいえの場合、個別保険の加入を検討してください。長期滞在はトラブルの確率が上がります。

2週間以内の場合、ダイビング・スキーなどのアクティビティを予定していますか。はいの場合、アクティビティ対応の個別保険に加入してください。カード付帯保険では免責になる可能性があります。

アクティビティなしの場合、高額な機材(カメラ、PC等で合計30万円以上)を持ち歩きますか。はいの場合、携行品損害の上乗せを検討してください。

高額機材なしの場合、エポスカードなど補償の手厚いクレジットカードを持っていますか。はいであれば、カード付帯保険で対応可能です。いいえの場合、エポスカードの発行を検討するか、個別保険に加入してください。

カード付帯保険で足りるかどうかの具体的な判断基準は付帯保険の検証記事にまとめています。

まとめ:「保険はいらない」ではなく「どの保険で備えるか」

「海外旅行保険はいらない」という主張は、条件が揃えば正しいです。東南アジアへの短期観光旅行で、補償の手厚いカードを持っていて、高額品もアクティビティもない。この条件なら、わざわざ数千円を払って個別保険に入る必要はありません。

しかし、「保険はいらない」と「保険を一切確保しない」は別の話です。カード付帯保険であっても、何らかの補償は持っておくべきです。年会費無料のエポスカードを1枚持つだけで、疾病治療270万円の補償が自動的に付いてきます。この270万円をベースに、渡航先や旅行スタイルに応じて個別保険で上乗せするかどうかを判断する。それが、32か国を旅してきた筆者がたどり着いた最も合理的な方法です。

保険に1円も払いたくないのであれば、せめてエポスカードの付帯保険だけは確保してから出発してください。年会費ゼロで手に入る安心としては、これ以上のものは現時点で存在しません。

クレジットカード付帯保険の仕組みと比較は付帯保険の詳細記事、海外旅行保険各社の比較は保険5社比較の記事、エポスカードの保険を深掘りした記事はエポスカード旅行保険の記事にまとめています。海外渡航時のスマホ通信についてはeSIM比較の記事もあわせてご確認ください。

よくある質問

海外旅行保険に入らなくても大丈夫?
渡航先と旅行スタイルによります。東南アジアへの1週間程度の旅行で、エポスカードなど補償の手厚いクレカ付帯保険があれば、個別の旅行保険なしでも対応可能です。ただしアメリカや長期旅行では個別保険の加入を強くおすすめします。
クレカ付帯保険だけで十分な条件は?
渡航先の医療費が比較的安い(アジア圏)、旅行期間が2週間以内、高額な携行品を持ち歩かない、アクティブなスポーツをしない、の4条件をすべて満たす場合はカード付帯保険で十分な可能性が高いです。
保険に入らないリスクはどれくらい?
最悪のケースでは数百万〜数千万円の医療費を自己負担することになります。アメリカでの入院は1日あたり50万〜100万円、盲腸手術で300万円以上かかるケースがあります。確率は低くても、発生したときの経済的ダメージが大きいのが海外医療費の特徴です。

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