VPNの設定方法|iPhone・Androidで3分で完了する手順ガイド
VPNの設定は3分で終わります。
「VPNって設定が難しそう」「ITに詳しくないと無理なのでは」と思って手を出せない方が多いのですが、実際にやることはアプリをインストールしてログインするだけです。eSIMの設定ができた方なら、VPNはそれより簡単だと感じるはずです。
ただし、タイミングだけは間違えないでください。VPNの設定は必ず日本にいる間に完了させる必要があります。渡航先によっては、現地でアプリのダウンロードや契約ができなくなるためです。
この記事では、NordVPNとExpressVPNの設定手順をiPhone・Android別にまとめます。出発前にこの記事を見ながら設定すれば、現地では接続ボタンを押すだけの状態になります。
なぜ出発前に設定を済ませる必要があるのか
「現地に着いてからでいいだろう」と思う気持ちは分かります。でも、VPNだけは例外です。出発前に設定を完了しておかないと、現地で詰む可能性があります。
理由はいくつかあります。
中国では、Google Playストアがブロックされています。App Storeは使えますが、一部のVPNアプリが中国向けには配信されていないケースがあります。現地に着いてからVPNアプリを検索しても、見つからないか、ダウンロードできない。こうなると手の打ちようがありません。
UAE(ドバイ)では、VPNサービスの公式サイトがブロックされていることがあります。NordVPNのWebサイトにアクセスして契約しようとしても、ページが表示されない。アプリはダウンロードできる場合もありますが、アカウント作成と支払いが現地からでは完了できないリスクがあります。
ロシアやイランなど、VPNの利用自体を制限している国では、アプリストアからVPNアプリが削除されていることもあります。
これらの国に行く予定がなくても、出発前に設定を終わらせておく習慣をつけておくのがおすすめです。空港で「やっぱりVPN入れておこう」と思っても、搭乗前のバタバタした時間では落ち着いて設定できません。自宅のWiFi環境で、時間に余裕のあるときに済ませてください。
NordVPNの設定手順
NordVPNは筆者が最もおすすめしているVPNサービスです。アプリの操作が直感的で、海外旅行者が必要とする機能(難読化サーバー、キルスイッチ、自動接続など)がすべて揃っています。料金は2年プランで月額約510円です(NordVPNの詳しい評価はVPN比較記事で)。
以下の手順は、すべて日本にいる間に行ってください。
iPhoneでの設定
手順1:NordVPNの公式サイトにアクセスして、プランを購入します。2年プランが最もコスパが良いですが、短期の旅行なら1か月プランでも構いません。メールアドレスの登録とパスワードの設定、支払い情報の入力でアカウント作成は完了です。
手順2:App Storeを開いて「NordVPN」を検索し、アプリをダウンロードします。NordVPN公式アプリのアイコンは青い山のマークです。類似の名前の偽アプリもあるので、開発元が「Nordvpn S.A.」であることを確認してください。
手順3:アプリを起動して「ログイン」をタップし、登録したメールアドレスとパスワードを入力します。初回ログイン時にメール認証が求められる場合があるので、メールを確認してコードを入力してください。
手順4:ログインが完了すると、世界地図が表示されます。ここで「クイックコネクト」ボタンをタップすると、最も速度が出るサーバーに自動接続されます。初回接続時に「VPN構成の追加を許可しますか?」というダイアログが表示されるので、「許可」をタップしてください。これはiOSがVPN接続を設定するために必要な許可です。
手順5:接続が完了すると、画面上部のステータスバーに「VPN」のアイコンが表示されます。アプリの画面にも「接続済み」と表示され、接続先のサーバーの国名が確認できます。
ここまでできたら、一度接続を切って再接続してみてください。問題なく繋がれば設定は完了です。所要時間は2〜3分です。
Androidでの設定
手順1:NordVPNの公式サイトでアカウントを作成してプランを購入します(iPhoneと同じ)。
手順2:Google Playストアを開いて「NordVPN」を検索し、アプリをインストールします。開発元が「nordvpn s.a.」であることを確認してください。
手順3:アプリを起動して「ログイン」をタップし、メールアドレスとパスワードでログインします。
手順4:「クイックコネクト」をタップします。初回接続時に「接続リクエスト」のダイアログが表示されるので「OK」をタップしてください。Androidの場合、通知バーに鍵のアイコンが表示されれば接続成功です。
手順5:接続先のサーバー名と国名がアプリの画面に表示されていることを確認します。
Androidの場合、機種によっては「バッテリー最適化」の設定がVPN接続を妨げることがあります。NordVPNアプリを「バッテリー最適化の対象外」に設定しておくと、バックグラウンドでも接続が維持されます。設定方法は機種によって異なりますが、「設定」→「バッテリー」→「バッテリー最適化」からNordVPNを探して「最適化しない」を選択するのが一般的です。
ExpressVPNの設定手順
ExpressVPNは通信速度と安定性に定評のあるサービスです。NordVPNと比べて料金はやや高め(月額換算700〜900円程度)ですが、独自のLightwayプロトコルにより接続が非常に高速です。中国やUAEなど、VPN規制の厳しい国で使う場合の安定性にも優れています。
設定の大まかな流れはNordVPNと同じですが、いくつか異なる点があります。
NordVPNとの主な違い
アクティベーションコードが必要な点が最大の違いです。ExpressVPNでは、アカウント作成後にWebサイトのマイページから「アクティベーションコード」をコピーして、アプリに入力する必要があります。このコードは契約ごとに固有のもので、アプリを新しいデバイスにインストールする際にも使います。出発前にこのコードをスクリーンショットで保存しておくか、メモアプリに控えておいてください。
UIの構成も少し異なります。NordVPNが世界地図ベースのUIなのに対し、ExpressVPNは大きな電源ボタン型のUIです。画面中央の丸いボタンをタップするだけで接続されるため、操作は直感的です。接続先は画面下部の「おすすめのロケーション」から選択できます。
プロトコルの自動選択については、ExpressVPNは独自のLightwayプロトコルをデフォルトで使用します。多くの場合、設定を変更する必要はありません。VPN規制の厳しい国(中国、UAE)では、アプリが自動的に最適なプロトコルを選択します。
設定手順(iPhone・Android共通)
手順1:ExpressVPNの公式サイトでアカウントを作成し、プランを購入する。
手順2:マイページに表示されるアクティベーションコードをコピーする(スクリーンショットも撮っておく)。
手順3:App StoreまたはGoogle Playから「ExpressVPN」をダウンロードしてインストールする。
手順4:アプリを起動し、「サインイン」→アクティベーションコードを貼り付けてログインする。
手順5:画面中央の接続ボタンをタップして接続テストを行う。ステータスバーにVPNアイコンが表示されれば設定完了。
接続先サーバーの選び方
VPNに接続するとき、「どの国のサーバーを選べばいいのか」という疑問が出てきます。用途によって最適なサーバーが変わるので、ここで整理します。
日本のサーバーを選ぶべきケース
日本の動画配信サービス(TVer、ABEMA、日本版Netflix)を海外から視聴したい場合は、日本のサーバーに接続してください。これらのサービスは接続元のIPアドレスで視聴地域を判定しているため、日本のサーバー経由でアクセスすれば「日本からの接続」と認識されます。
日本のネットバンキングにアクセスする場合も、日本のサーバーが安全です。一部の銀行は海外IPからのアクセスをブロックしているためです。
「クイックコネクト」で自動選択するケース
通信のセキュリティ確保やVoIP規制の回避が目的であれば、「クイックコネクト」(自動選択)で問題ありません。NordVPNもExpressVPNも、自動選択では物理的に近くて混雑の少ないサーバーを選ぶため、最も速い通信速度が得られます。
ドバイでLINE通話をしたいだけなら、日本のサーバーでなくても構いません。近隣のヨーロッパやアジアのサーバーでもVoIP規制は回避できます。日本のサーバーにこだわらないほうが速度は出やすいです。
サーバー選びの基本原則
迷ったら、この原則を覚えておいてください。「日本のコンテンツを見たいなら日本サーバー、それ以外はクイックコネクト」。これだけです。
自動接続の設定をおすすめする理由
NordVPNにもExpressVPNにも、「自動接続」機能があります。WiFiに接続したとき、あるいはモバイルデータに切り替わったときに、自動的にVPNをオンにする設定です。
海外では、この自動接続をオンにしておくことを強くおすすめします。
理由は単純です。人間は忘れるからです。カフェに入ってWiFiに繋いで、「あ、VPNオンにしなきゃ」と思い出せればいいですが、旅行中は頭が観光モードになっていて、セキュリティのことなど頭から抜けています。自動接続を設定しておけば、自分で意識しなくても常にVPN経由で通信が行われます。
NordVPNの自動接続設定
iPhoneの場合:アプリを開く → 画面左上の歯車アイコン(設定)→「VPN接続」→「Wi-Fiの自動接続」をオンにする。「信頼済みWi-Fiネットワーク」に自宅のWiFiを登録しておけば、自宅では自動接続されず、外出先のWiFiでのみ自動的にVPNがオンになります。
Androidの場合:アプリを開く → 左上のメニュー → 「設定」→「自動接続」→「WiFi接続時」を選択。こちらも信頼済みネットワークの設定が可能です。
ExpressVPNの自動接続設定
アプリの「オプション」(または「設定」)→「一般」→「起動時に接続」をオンにすると、アプリ起動時に自動で前回のサーバーに接続されます。「ネットワーク保護」をオンにすると、信頼していないWiFiに接続した際に自動でVPNがオンになります。
トラブルシューティング
設定が完了しているのに接続できない、あるいは現地で急に繋がらなくなった場合の対処法です。
VPN接続自体ができない場合
まず試すべきことは、プロトコルの変更です。NordVPNの場合、「設定」→「VPNプロトコル」から、NordLynx(デフォルト)をOpenVPN(TCP)に切り替えてみてください。ネットワーク環境によっては、特定のプロトコルがブロックされていることがあります。OpenVPN(TCP)は最も汎用性が高く、多くのネットワークを通過できます。
ExpressVPNの場合は、「設定」→「VPNプロトコル」から「自動」を選択してください。Lightwayが通らない環境では、自動的にOpenVPNに切り替わります。
中国やUAEで接続できない場合
通常のVPN接続がブロックされている場合は、難読化サーバー(Obfuscated Servers)を使ってください。
NordVPNでの操作方法は以下のとおりです。「設定」→「VPNプロトコル」でOpenVPN(TCP)を選択する。その後、サーバーリストに「Obfuscated Servers(難読化サーバー)」のカテゴリが表示されるので、そこから接続先を選択します。難読化サーバーは、NordLynxプロトコルでは利用できないため、プロトコルの切り替えが必要です。
ExpressVPNの場合は、難読化が自動的に処理されるため、特別な設定は不要です。接続できない場合は、サーバーの場所を変えてみてください。
接続はできるが通信が遅い場合
VPN接続中に通信速度が極端に遅くなる場合は、接続先サーバーの変更を試してください。混雑しているサーバーに当たっている可能性があります。NordVPNなら同じ国の中でも複数のサーバーがあるため、別のサーバーに接続し直すだけで速度が改善することがあります。
もう一つの原因として、プロトコルが最適でないケースがあります。NordLynx(WireGuardベース)は一般的に最も高速なプロトコルです。OpenVPNに切り替えている場合は、NordLynxに戻してみてください(ただし中国・UAEでは難読化のためOpenVPNが必要な場合があります)。
キルスイッチについて
キルスイッチとは、VPN接続が予期せず切断された場合に、すべてのインターネット通信を自動的にブロックする機能です。VPNが切れた瞬間に暗号化されていない通信が流れてしまうのを防ぎます。
NordVPNでは「設定」→「キルスイッチ」からオンにできます。iPhoneの場合はiOSの仕様上、完全なキルスイッチは「常時VPN接続」を設定することで実現します。Androidでは「設定」→「接続」→「その他の接続設定」→「VPN」→NordVPNの歯車アイコン→「常時VPN接続」をオンにすることで、OS レベルでのキルスイッチが機能します。
セキュリティを重視する方は、キルスイッチを有効にしておくことをおすすめします。
eSIMとVPNの併用:設定の順番
海外旅行ではeSIMとVPNの両方を使うケースが多いです。設定の順番を間違えるとトラブルの原因になるため、正しい手順を整理します。
出発前に行うこと
- eSIMを購入してインストールする(eSIM設定ガイドはこちら)
- VPNアプリをインストールしてログインする(この記事の手順)
- VPNの接続テストを行う
この時点ではeSIMのデータ通信はまだオフにしておきます。VPNの接続テストは、自宅のWiFiまたは日本のキャリア回線で行えば問題ありません。
現地到着後の手順
- eSIMのデータ通信をオンにする(「設定」→「モバイル通信」→eSIM回線のデータローミングをオン)
- 主回線(日本のSIM)のデータローミングをオフにする
- インターネットに接続されていることを確認する(ブラウザで適当なサイトを開いてみる)
- VPNアプリを起動して接続する
この順番が重要です。VPNはインターネット接続が前提のサービスなので、まずeSIMでデータ通信が使える状態にしてから、VPNをオンにします。eSIMのデータ通信が有効になる前にVPNを接続しようとしても、「インターネット接続がありません」というエラーになります。
帰国後の手順
- VPNを切断する
- eSIMのデータ通信をオフにする
- 主回線(日本のSIM)のデータ通信をオンに戻す
帰国後の詳しい手順は帰国後の設定ガイドを参考にしてください。
まとめ:設定は3分、やらないリスクは旅行中ずっと
VPNの設定に必要な時間は3分です。アプリを入れて、ログインして、接続テストをする。たったこれだけです。
一方、設定をしないまま渡航すると、中国ではLINEもGoogleも使えず、ドバイでは家族にLINE通話ができず、フリーWiFiでは通信を傍受されるリスクを常に背負うことになります。3分の手間と、旅行中ずっと続くリスク。どちらを取るかは明白です。
出発の3日前くらいに、自宅のソファに座ってこの記事を見ながら設定してください。それだけで、現地では接続ボタンをワンタップするだけの状態になります。
VPNサービスの選び方に迷っている方はVPN比較記事を参考にしてください。無料VPNの危険性については無料VPNの記事で詳しく解説しています。フリーWiFiのセキュリティ対策はこちら、eSIMの選び方はeSIM比較記事をご覧ください。
よくある質問
VPNの設定は難しい?
VPNはいつ設定すべき?
VPNをONにしたままでいい?
無料VPNでもいい?
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