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海外旅行中の写真・動画バックアップ|通信環境が悪い国での対処法

海外旅行中のバックアップは、クラウドの自動バックアップをWiFi接続時に走らせるのが基本です。通信環境が悪い国では、USB-CメモリやポータブルSSDによる物理バックアップを併用してください。この2段構えで、スマホの紛失や故障があってもデータを失うリスクをほぼゼロにできます。

筆者がバックアップの重要性を痛感したのは、モロッコを旅行したときのことです。砂漠ツアーの3日間、ホテルのWiFiがほとんど使い物にならず、スマホのストレージは写真と動画で埋まっていきました。最終日に「容量がいっぱいです」の通知が出て、その場で古い写真を選んで削除する羽目になりました。あの経験以来、旅行前のバックアップ準備は欠かさなくなりました。

この記事では、海外旅行中の写真・動画バックアップの方法を、クラウド・物理デバイス・容量管理の3つの観点から整理します。

クラウドバックアップの設定

クラウドバックアップは、海外旅行中の写真・動画保護の第一防衛線です。スマホが盗まれても、水没しても、クラウドにバックアップ済みのデータは無事です。

Google Photos(Android / iPhone共通)

Google Photosは、Android・iPhoneの両方で使える写真バックアップサービスです。無料のGoogleアカウントで15GBのストレージが使えます(GmailやGoogle Driveと共用)。

バックアップの設定手順は以下の通りです。

Google Photosアプリを開き、右上のプロフィールアイコンをタップします。「Google Photosの設定」→「バックアップ」をタップし、バックアップをオンにします。

ここで重要なのが「モバイルデータ通信の使用量」の設定です。「モバイルデータ通信の使用量」→「1日の上限」を「なし(WiFiのみ)」に設定してください。これにより、WiFiに接続したときだけバックアップが実行されます。eSIMのデータ容量を写真のバックアップで消費してしまうのは避けたいので、この設定は必ず確認してください。

バックアップの画質は「保存容量の節約画質」と「元の画質」から選べます。「保存容量の節約画質」を選ぶとファイルサイズが圧縮されるため、ストレージの消費を抑えられます。画質の劣化はスマホの画面で見る分にはほとんど分かりませんが、後で大きく印刷する予定がある場合は「元の画質」を選んでください。

iCloud写真(iPhone)

iPhoneユーザーの場合、iCloud写真が最もシームレスなバックアップ手段です。「設定」→「自分の名前」→「iCloud」→「写真」で「iCloud写真」をオンにすれば、撮影した写真が自動的にiCloudにアップロードされます。

モバイルデータ通信でのアップロードを防ぐには、「設定」→「写真」→「モバイルデータ通信」をオフにしてください。WiFi接続時のみアップロードが実行されるようになります。

iCloudの無料プランは5GBしかないため、旅行中の写真を保存するには容量が足りないことが多いでしょう。50GB(月額130円)または200GB(月額400円)のプランにアップグレードしておくことをおすすめします。旅行前にアップグレードし、帰国後に不要であればダウングレードすれば、費用は最小限で済みます。

Amazon Photos(Amazonプライム会員向け)

見落とされがちですが、Amazonプライム会員は写真を容量無制限でAmazon Photosにバックアップできます。動画は5GBまでという制限がありますが、写真に限れば容量を気にする必要がありません。

すでにプライム会員であれば、追加費用なしで使えるので費用対効果は高いです。Google PhotosやiCloudと併用する形で、セカンドバックアップとして設定しておくと安心感が増します。

Amazon Photosアプリをインストールし、「設定」→「自動保存」をオンにするだけです。WiFiのみでアップロードする設定も用意されています。

クラウドバックアップの運用ルール

筆者が旅行中に実践しているクラウドバックアップの運用ルールは以下の3つです。

1つ目は、毎晩ホテルに戻ったらWiFiに接続し、バックアップの進捗を確認すること。Google Photosの場合、アプリを開いてプロフィールアイコンをタップすると「バックアップが完了しました」または「〇個のアイテムをバックアップ中」と表示されます。寝る前にバックアップが走っていることを確認して、充電器に繋いで就寝。朝起きたら完了しているのが理想です。

2つ目は、バックアップが完了した写真は「バックアップ済み」のステータスを確認すること。Google Photosでは個別の写真を開いて上にスワイプすると、バックアップの状態が表示されます。

3つ目は、動画のバックアップは後回しにすること。動画はファイルサイズが大きいため、WiFi環境でもアップロードに時間がかかります。旅行中はまず写真のバックアップを優先し、動画は帰国後に自宅のWiFiでまとめてアップロードするほうが効率的です。

WiFiのみアップロード設定がなぜ重要か

クラウドバックアップの設定で最も重要なポイントを、改めて強調しておきます。モバイルデータ通信でのアップロードは必ずオフにしてください。

理由は単純で、写真のバックアップがeSIMのデータ容量を食い潰すからです。

データ量の目安を示します。

コンテンツ1件あたりのサイズ100件の合計
スマホ写真(標準画質)2〜5MB200MB〜500MB
スマホ写真(高画質・RAW)10〜25MB1GB〜2.5GB
4K動画(1分)約400MB約40GB
フルHD動画(1分)約150MB約15GB
スクリーンショット0.5〜2MB50MB〜200MB

旅行中に1日100枚の写真を撮ったとすると、標準画質でも1日あたり200MB〜500MBのアップロードが発生します。eSIMのデータプランが5GBだった場合、写真のバックアップだけで数日分のデータ容量を使い切ってしまう計算です。

地図アプリ、翻訳アプリ、メッセージのやりとりなど、旅行中に通信が必要な場面は他にもたくさんあります。eSIMの貴重なデータ容量は、日中の実用的な通信のために温存してください。バックアップはホテルのWiFiに任せるのが鉄則です。

eSIMのデータプラン選びに迷う場合は、海外eSIM比較の記事を参考にしてください。

物理バックアップ:USB-CメモリとポータブルSSD

クラウドバックアップが基本とはいえ、通信環境が安定しない国では物理デバイスへのバックアップも併用すべきです。

USB-Cメモリ

最も手軽な物理バックアップ手段です。USB-C端子のあるスマホに直接挿して、写真や動画をコピーできます。

iPhoneの場合(iPhone 15以降のUSB-C搭載モデル):USB-Cメモリを接続すると「ファイル」アプリで認識されます。写真アプリから共有メニューを使ってコピーするか、「ファイル」アプリ内でドラッグ&ドロップで移動できます。

Androidの場合:USB-Cメモリを接続すると自動で認識されます。ファイルマネージャーアプリから写真フォルダを選んでコピーしてください。

容量は128GB〜256GBのものを選べば、旅行中の写真・動画を十分に保存できます。SanDiskやSamsungなど信頼性の高いブランドのものを選んでください。価格は128GBで2,000円〜3,000円程度です。

USB-Cメモリの長所は、軽量・小型で荷物にならないことです。キーホルダーサイズの製品が多いので、ポーチの中に入れておいても邪魔になりません。

ポータブルSSD

動画を大量に撮影する場合は、ポータブルSSDのほうが適しています。USB-Cメモリよりも転送速度が速く、大容量のモデルが多いのが特徴です。

Samsung T7やSanDisk Extremeシリーズなど、手のひらサイズのポータブルSSDは500GB〜1TBの容量があり、4K動画を大量に保存できます。転送速度もUSB-Cメモリより高速なので、動画ファイルのコピーにかかる時間が短く済みます。

ただし、USB-Cメモリよりはサイズと重量があり、価格も高めです。写真がメインの旅行であればUSB-Cメモリで十分でしょう。動画撮影が目的の旅行や、2週間以上の長期旅行であればポータブルSSDの導入を検討してください。

物理バックアップの運用ルール

物理デバイスへのバックアップは、毎晩ホテルで行うのが理想です。筆者は以下のルーティンを習慣にしています。

ホテルに戻ったら、まずスマホをWiFiに接続してクラウドバックアップを開始します。クラウドバックアップが走っている間に、USB-CメモリまたはポータブルSSDを接続して、その日撮影した写真と動画をコピーします。

クラウドとローカルデバイスの両方にバックアップが取れたら、スマホ本体のデータは安全に保護されています。万が一スマホを紛失しても、USB-Cメモリのデータが残りますし、USB-Cメモリを紛失してもクラウドにデータがあります。

物理デバイスはスマホとは別の場所に保管してください。スマホとUSB-Cメモリを同じポーチに入れていて、ポーチごと盗まれたらバックアップの意味がありません。USB-Cメモリはホテルのセーフティボックスに入れておくか、スーツケースの中に入れてロックしておくのがよいでしょう。

通信環境が悪い国での対策

東南アジアの地方部、アフリカ、中央アジアなど、ホテルのWiFiが不安定な地域に行く場合は、クラウドバックアップだけに頼るのはリスクがあります。

WiFiが遅い・不安定な場合の対処法

ホテルのWiFiが遅い場合、クラウドへのアップロードが一晩かけても終わらないことがあります。その場合は以下の優先順位で対応してください。

まず、物理バックアップを最優先にします。USB-CメモリへのコピーはWiFi環境に依存しないため、確実にバックアップが取れます。

次に、クラウドバックアップの画質を下げます。Google Photosの場合、「保存容量の節約画質」に切り替えるとファイルサイズが小さくなり、アップロードにかかる時間が短縮されます。

動画のアップロードは一旦あきらめて、USB-Cメモリにのみ保存します。動画のクラウドバックアップは帰国後に自宅のWiFiでまとめて行えば十分です。

ホテルのWiFiが全く使えない場合

WiFi自体が存在しない、あるいは接続できても実質的に使えないレベルの速度しか出ない宿泊先もあります。砂漠のロッジ、離島のゲストハウス、山岳地帯の宿など、通信インフラが十分に整備されていない地域です。

この場合は物理バックアップが唯一の手段になります。USB-Cメモリは必ず持参してください。

また、1日の撮影枚数を意識的にコントロールすることも重要です。ストレージの空き容量に余裕がないと、せっかくの撮影チャンスにシャッターを切れないという事態になりかねません。「今日は写真100枚まで」といった目安を決めておくと、容量管理がしやすくなります。

筆者がモロッコの砂漠ツアーで学んだのは、「通信がない環境では物理デバイスが命綱になる」ということです。あの旅行以降、通信環境が不明な国に行くときは128GBのUSB-Cメモリを2本持っていくようにしています。1本が壊れても予備がある状態にしておくためです。

カフェやコワーキングスペースのWiFiを活用する

ホテルのWiFiが遅い場合、日中にカフェやコワーキングスペースでバックアップを実行するのも一つの手です。東南アジアの都市部であれば、カフェのWiFiのほうがホテルよりも速いということはよくあります。

ただし、フリーWiFiでのクラウドバックアップにはセキュリティ上のリスクがあるため、VPNを接続してから行ってください。写真データそのものは暗号化されたクラウドサービスにアップロードされますが、ログイン情報やセッション情報を傍受されるリスクを防ぐためです。

フリーWiFiのセキュリティに関する記事で詳しく解説していますので、フリーWiFiのリスクが気になる方はあわせてご確認ください。

旅行前のストレージ確保チェックリスト

バックアップの方法を決めても、そもそもスマホのストレージに空きがなければ写真が撮れません。出発前に以下の作業を行って、十分な空き容量を確保しておきましょう。

ストレージの現状確認

iPhoneの場合:「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」で、使用済み容量と空き容量を確認します。何がストレージを占有しているか、アプリごとの内訳も表示されます。

Androidの場合:「設定」→「ストレージ」で確認できます。

最低でも10GBの空き容量は確保しておきたいところです。1週間の旅行で写真を毎日100枚撮ると仮定すると、標準画質で約2GB〜3.5GB。動画を1日10分撮影すると約4GB。合計で約6GB〜7.5GBです。余裕を持って10GB以上を目安にしてください。

不要なデータの整理

ストレージを圧迫しているのは、たいてい以下の3つです。

1つ目は写真・動画です。過去の旅行で撮った写真がクラウドにバックアップ済みであれば、ローカルから削除しても問題ありません。Google Photosの場合、「空き容量を増やす」機能を使えば、バックアップ済みの写真をローカルから一括削除できます。iCloudの場合は「iPhoneストレージを最適化」をオンにすると、バックアップ済みの写真のローカルコピーが自動的にサムネイルに置き換えられます。

2つ目は使っていないアプリです。数か月間起動していないアプリは削除してしまいましょう。iPhoneの「非使用のAppを取り除く」機能を使えば、アプリのデータは保持したまま本体のストレージを解放できます。帰国後に再インストールすればデータは復元されます。

3つ目はメッセージアプリの添付ファイルです。LINEやiMessageでやりとりした画像や動画が、知らないうちにストレージを圧迫していることがあります。LINEの場合、「設定」→「トーク」→「データの削除」から、キャッシュや古い添付ファイルを削除できます。

クラウドストレージの残量確認

ローカルの空き容量だけでなく、クラウドの残量も確認しておいてください。

Google Photos:Googleアカウントの15GBをGmail・Google Driveと共有しています。残量はgoogle.com/storage で確認できます。足りない場合はGoogle Oneのプラン(100GBで月額250円)に加入することを検討してください。

iCloud:「設定」→「自分の名前」→「iCloud」→「アカウントのストレージを管理」で確認できます。5GBの無料プランでは旅行中の写真を保存しきれない場合がほとんどです。

Amazon Photos:プライム会員なら写真は容量無制限なので残量を気にする必要はありません。

クラウドの容量が足りない状態で旅行に出発すると、自動バックアップが途中で止まり、後半の写真がバックアップされないまま旅行を終えることになります。出発前に確認して、必要であれば有料プランへのアップグレードを済ませておいてください。

データ容量の目安

旅行中の通信量やストレージ消費を計画するために、主要なコンテンツのデータサイズを把握しておくと便利です。

コンテンツデータサイズの目安
スマホ写真(iPhone/Android標準)1枚あたり2〜5MB
スマホ写真(iPhone ProRAW)1枚あたり25MB前後
4K動画(60fps)1分あたり約400MB
4K動画(30fps)1分あたり約170MB
フルHD動画(1080p)1分あたり約130〜150MB
タイムラプス動画(30秒の完成動画)約40〜80MB
パノラマ写真1枚あたり5〜15MB

1週間の旅行で「写真を1日80枚、動画を1日5分」撮影したとすると、以下の計算になります。

写真:80枚 × 3.5MB(平均) × 7日 = 約2GB 動画(4K 30fps):5分 × 170MB × 7日 = 約6GB 合計:約8GB

これだけのデータが毎日蓄積されていくため、ストレージの空き容量が少ない場合は日々のバックアップと整理が欠かせません。

クラウドバックアップに必要な通信環境の確保には、eSIMが便利です。サービスの比較はeSIM主要5社の比較記事をご覧ください。

バックアップ方法の組み合わせ:筆者の推奨パターン

旅行のスタイルや渡航先に応じて、バックアップ方法の組み合わせは変わります。筆者が推奨するパターンを3つ紹介します。

パターン1:通信環境が良好な国(韓国、台湾、シンガポールなど)

クラウドバックアップのみで十分です。ホテルのWiFiが安定しているため、毎晩のクラウドバックアップで写真・動画を保護できます。念のためUSB-Cメモリを持参しておけば完璧ですが、出番がないことのほうが多いでしょう。

パターン2:通信環境にムラがある国(タイの地方、インドネシアの離島など)

クラウドバックアップ+USB-Cメモリの併用を推奨します。都市部ではクラウドバックアップ、地方や離島では物理バックアップと使い分けてください。

パターン3:通信環境が厳しい国(モロッコの砂漠、ネパールのトレッキングなど)

物理バックアップがメイン、クラウドは補助的な位置づけになります。USB-Cメモリを2本以上持参し、交互にバックアップを取ることをおすすめします。街に戻ったタイミングでクラウドバックアップを実行してください。

どのパターンでも共通しているのは、スマホ本体のデータだけに頼らないということです。スマホは紛失・盗難・故障のリスクが常にあります。帰国後に「あの写真が全部消えた」という事態を防ぐために、バックアップは旅行準備の一環として必ず組み込んでください。

海外旅行中のスマホ紛失・盗難への備えについては海外でスマホを盗まれた場合の対処法の記事で、オフライン環境での地図利用についてはGoogle Mapsのオフライン活用の記事でそれぞれ詳しく解説しています。

旅行の思い出を確実に持ち帰るために、出発前のバックアップ準備を忘れずに行ってください。

よくある質問

海外旅行中の写真バックアップはどうすればいい?
ホテルのWiFiに接続している間にクラウド(Google Photos/iCloud)に自動バックアップするのが基本です。通信環境が悪い国ではUSB-CメモリやポータブルSSDへの物理バックアップを併用します。
eSIMのデータ容量でクラウドバックアップしても大丈夫?
写真のみなら1枚2〜5MBなので対応可能ですが、動画は数百MBになるためモバイル回線でのバックアップは推奨しません。WiFi接続時に自動バックアップする設定にしておきましょう。
スマホの容量がいっぱいになったらどうする?
バックアップ済みの写真をクラウドに移してローカルから削除するか、USB-Cメモリにコピーして容量を確保します。旅行前にストレージの空きを確認しておくことが重要です。

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