Googleマップをオフラインで使う方法|通信がなくても迷わないために
eSIMを持っていれば、海外でもGoogleマップはリアルタイムで使えます。正直なところ、eSIMがある前提ならオフラインマップは「必須」ではありません。
ただ、5分の作業で「万が一通信が使えなくなっても地図が見られる」という保険がかけられるなら、やらない理由がないですよね。筆者は32か国の渡航でeSIMが使えなくなったことはほぼありませんが、トンネルの中、地下鉄の車内、電波が弱い山間部では何度か助けられました。
オフラインマップが役立つ場面
eSIMがあっても通信が使えない場面は存在します。具体的にどんなときか整理しておきます。
地下鉄やトンネル内。バンコクのBTSは地上を走るので問題ありませんが、パリのメトロやソウルの地下鉄は地下を走る区間が多いです。駅間で地図を確認したいとき、通信が途切れていると画面が真っ白になります。
eSIMのデータを使い切った場合。プランのデータ容量がゼロになると、追加購入するまで通信が止まります。WiFiがない場所でこれが起きると、地図が見られないまま土地勘のない街を歩くことになります。
電波が弱いエリア。都市部であればeSIMの電波が途切れることはまずありません。ただ、郊外や山間部、島嶼部では電波が不安定になることがあります。筆者がアイスランドをレンタカーで周遊したときは、内陸部で通信が途切れる区間がかなりありました。オフラインマップがなかったら相当不安だったと思います。
飛行機の着陸直後。機内モードを解除してからeSIMの電波を掴むまで、数十秒から数分かかることがあります。その間に空港内の移動案内を確認したいなら、オフラインマップがあると便利です。
ダウンロード手順(iPhone / Android共通)
Googleマップのオフラインマップは、iPhone・Androidともに同じ手順でダウンロードできます。
手順1: Googleマップアプリを開き、検索バーに渡航先の都市名(例: 「バンコク」「パリ」)を入力して検索します。
手順2: 画面下部に表示される都市の情報カードを上にスワイプし、メニューの中から「オフラインマップをダウンロード」をタップします。もしこのメニューが見つからない場合は、右上の「…」メニューから「オフラインマップをダウンロード」を探してください。
手順3: ダウンロードするエリアの範囲が青い枠で表示されます。ピンチイン・ピンチアウトで範囲を調整できます。エリアが広いほどファイルサイズが大きくなるので、必要な範囲に絞ってください。画面下部にファイルサイズの目安が表示されるので、確認してからダウンロードに進みます。
手順4: 「ダウンロード」をタップ。WiFi環境で行えば数分で完了します。
ダウンロードが完了すると、「オフラインマップ」の一覧に保存されます。確認するには、Googleマップのプロフィールアイコン→「オフラインマップ」を開いてください。ここにダウンロード済みのエリアが一覧で表示され、各エリアの容量や有効期限も確認できます。
なお、ダウンロードは必ず出発前にWiFi環境で済ませてください。渡航先のeSIMデータを使ってダウンロードすると、数百MBの容量を消費してしまいます。自宅のWiFi、あるいはカフェのWiFiで出発前日までに済ませておくのが理想です。
もうひとつ注意点として、Googleマップアプリは最新版にアップデートしておいてください。古いバージョンではオフラインマップの機能が制限されていたり、ダウンロードに失敗したりするケースがあります。
オフラインでできること・できないこと
オフラインマップは万能ではありません。通信がある状態と比べて、使えない機能があります。ここを正確に把握しておかないと、現地で「使えると思っていたのに」ということになります。
| 機能 | オフライン | オンライン |
|---|---|---|
| 地図の表示・閲覧 | 使える | 使える |
| 現在地の表示(GPS) | 使える | 使える |
| 車での経路検索・ナビ | 使える | 使える |
| 徒歩での経路検索・ナビ | 使える | 使える |
| 公共交通機関の経路検索 | 使えない | 使える |
| リアルタイムの渋滞情報 | 使えない | 使える |
| 店舗の営業時間・口コミ | 使えない | 使える |
| ストリートビュー | 使えない | 使える |
| 場所の検索(名称・住所) | 一部使える | 使える |
重要なのは、GPSは通信がなくても動作するという点です。GPSはスマートフォンのハードウェアが衛星から直接信号を受信する仕組みなので、eSIMやWiFiが使えなくても現在地は表示されます。オフラインマップと組み合わせれば、通信ゼロの状態でも「自分が地図上のどこにいるか」はわかります。
一方、公共交通機関の経路検索はオフラインでは使えません。電車やバスの乗り換え案内にはリアルタイムのデータが必要だからです。海外で電車やバスを使う予定がある場合、経路はeSIMが繋がっている状態で事前に調べてスクリーンショットを撮っておくのが実用的です。
場所の検索は「一部使える」としました。ダウンロード済みのエリア内であれば、住所検索や主要なランドマークの検索はオフラインでも機能します。ただし、小さな個人店やマイナーなスポットはヒットしないことがあります。
もうひとつ見落としがちなのが、お気に入りに保存した場所(スター付きの場所)はオフラインでも表示されるという点です。旅行前に行きたい場所をGoogleマップで「保存」しておけば、オフラインの状態でもピンが地図上に表示されます。通信が途切れていても「次に行きたい場所がどの方向にあるか」がわかるので、これは地味に便利です。筆者はヨーロッパ周遊のとき、事前にレストランや観光スポットを50か所以上保存しておいて、オフラインでもピンを頼りに歩き回っていました。
ダウンロードすべきエリアの選び方
渡航先の地図を闇雲にダウンロードしても、本当に必要なエリアをカバーできていなければ意味がありません。筆者の経験上、以下の3つのエリアを優先的にダウンロードしておけば困ることはありません。
エリア1: 空港からホテルまでのルート
到着直後は通信環境が不安定なことがあります。空港からホテルまでの移動ルートをカバーする範囲をダウンロードしておくと、タクシーやGrab/Uberの運転手が明らかに遠回りしている場合にも気づけます。
エリア2: ホテル周辺
ホテルを拠点にして徒歩で移動する範囲です。レストランやコンビニの場所を確認したり、近くの駅までのルートを調べたりする際に使います。ホテルから半径2〜3km程度をカバーしておけば十分です。
エリア3: 主要観光地
滞在中に訪れる予定の観光地エリアです。都市部であればエリア1・2と重なることが多いですが、郊外の遺跡や自然スポットに行く場合はそのエリアも別途ダウンロードしておいてください。
1つの都市であれば、これら3エリアをまとめて1回のダウンロードでカバーできることがほとんどです。広めに範囲を取っても、都市1つで100〜300MB程度に収まります。
容量の目安と節約
オフラインマップのファイルサイズは、エリアの広さと地図データの密度(建物や道路の多さ)によって変わります。
| エリアの目安 | 容量 |
|---|---|
| 都市の中心部(東京23区相当) | 約200MB |
| 中規模都市(バンコク中心部) | 約150MB |
| 小規模都市・リゾート | 約50〜100MB |
| 広域エリア(県単位) | 300〜500MB |
3〜4都市分をダウンロードしても1GB前後です。最近のスマートフォンであれば、ストレージの問題にはならないでしょう。
容量を節約したい場合は、ダウンロード範囲を必要最小限に絞ることが一番効果的です。「国全体をダウンロード」のような使い方をすると数GBになることもあるので、滞在する都市だけに限定してください。
不要になったオフラインマップは削除できます。帰国後にGoogleマップの「オフラインマップ」から該当エリアを選んで「削除」をタップすれば、ストレージが解放されます。
ちなみに、オフラインマップの有効期限は最大365日間です。期限が近づくとGoogleマップから更新の通知が届きます。同じ都市に年に何度も行く方は、一度ダウンロードしておけば1年間使い回せるので、毎回ダウンロードし直す必要はありません。WiFi接続時に自動更新する設定をONにしておけば、地図データも最新の状態に保たれます。
オフラインマップが使えない国・地域
Googleマップのオフライン機能は、世界のほとんどの地域で使えます。ただし、一部の国ではオフラインマップのダウンロードが制限されています。
たとえば中国本土では、Googleマップ自体のサービスが制限されているため、オフラインマップのダウンロードも機能しません。中国に渡航する場合は、Baidu Maps(百度地図)や高徳地図といった中国国内のマップアプリを事前にインストールしておく必要があります。
韓国もかつてはオフラインマップが使えない地域でしたが、2023年以降は利用可能になっています。ただ、韓国ではNaver MapやKakao Mapのほうが地図データが詳細で、現地の交通機関との連携も優れています。Googleマップのオフラインは保険として持っておきつつ、メインはNaver Mapを使うのが賢い使い方です。
渡航前に、目的地のエリアが実際にダウンロードできるかを必ず確認してください。ダウンロード範囲を選択する画面で「このエリアのオフラインマップはダウンロードできません」と表示される場合は、代替のマップアプリを準備しておく必要があります。
eSIMとオフラインマップの使い分け
筆者のスタンスを明確にしておくと、オフラインマップはあくまで「保険」です。メインの地図利用はeSIMによるオンライン接続で行い、オフラインマップは通信が途切れたときのバックアップとして位置づけています。
この使い分けには理由があります。
オンラインの状態であれば、Googleマップのすべての機能が使えます。公共交通機関の乗り換え案内、リアルタイムの渋滞情報、店舗の営業時間や口コミ、ストリートビューでの事前確認。これらはオフラインでは使えない機能であり、海外旅行で実際に頼りになる機能でもあります。
逆に言えば、オフラインマップだけで海外旅行を乗り切ろうとするのは現実的ではありません。公共交通の検索ができないのは致命的だし、営業時間がわからないまま店に向かって閉まっていた、という事態は避けたいですよね。
だから筆者の推奨は「eSIM + オフラインマップ」のセットです。eSIMで常時接続を確保しつつ、オフラインマップを保険として仕込んでおく。5分の作業で得られる安心感としては、費用対効果がかなり高いです。
eSIMの選び方は海外eSIM5社の比較で、データ量の選び方はデータ量の目安ガイドでまとめています。
Apple Mapsのオフライン機能について
Googleマップの話をしてきましたが、iPhoneユーザーの中にはApple Maps(マップアプリ)をメインで使っている方もいるでしょう。
Apple MapsもiOS 17以降でオフラインマップに対応しています。「設定」→「マップ」→「オフラインマップ」→「新しいマップをダウンロード」から、Googleマップと同様にエリアを指定してダウンロードできます。
機能面ではGoogleマップのオフラインマップと大きな差はありませんが、海外旅行においてはGoogleマップのほうが地図データの充実度で優位です。特に東南アジアやヨーロッパの都市では、Googleマップのほうが店舗情報や口コミが圧倒的に多いです。
筆者としては、海外旅行用にはGoogleマップのオフラインマップを推奨します。普段Apple Mapsを使っている方でも、海外旅行前にはGoogleマップをインストールしておくことをおすすめします。
オフラインマップと併用すると便利なアプリ
Googleマップのオフラインだけでも十分ですが、筆者が海外旅行で併用しているアプリをいくつか紹介します。
Google翻訳のオフライン言語パック。Googleマップと同じく、事前にダウンロードしておけば通信なしで翻訳できます。看板やメニューの文字をカメラで読み取るリアルタイム翻訳も、オフラインで動作します。容量は1言語あたり50〜80MB程度。渡航先の言語をダウンロードしておくと、通信が途切れたときでもレストランのメニューを読めます。
Maps.me(MAPS.ME)。Googleマップとは別のオフラインマップアプリです。OpenStreetMapのデータを使っており、Googleマップではカバーされていないトレイルや山道のデータが充実しています。ハイキングやトレッキングの予定がある方は、サブとして入れておくと安心です。筆者はアイスランドの内陸部をドライブしたとき、Googleマップでは表示されなかった未舗装道路がMaps.meには載っていて助かった経験があります。
ただし、アプリを増やしすぎるとかえって混乱します。都市部の旅行であればGoogleマップだけで十分。プラスアルファのアプリは、自分の旅行スタイルに合わせて必要なものだけ入れてください。
出発前の5分チェックリスト
最後に、出発前にやっておくことを整理します。所要時間は5分程度です。
- Googleマップアプリが最新版に更新されていることを確認する
- 渡航先の都市名で検索し、オフラインマップをダウンロードする
- ダウンロード完了後、機内モードにして地図が表示されるかテストする
- 表示が確認できたら、機内モードを解除して完了
3番目のテストは意外と重要です。ダウンロードしたつもりがエラーで失敗していた、というケースを防げます。出発前にWiFi環境でテストしておけば安心です。
eSIMの設定がまだの方はスマホの海外設定ガイドも出発前にあわせて確認してください。
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よくある質問
Googleマップのオフラインマップはどれくらいの容量?
オフラインマップで経路検索はできる?
オフラインマップはいつまで使える?
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